「個々別々であり一体」

こんにちは。yorisou farm enの平井です。
このブログでは、自然農夫が畑作業をしていて感じたことや、自然農の考え方などについて発信しています。

農繁期というのに甘え、しれっと5月は投稿せずすみません汗
今月から心機一転、月一更新頑張ります!

6月21日、二十四節気の「夏至」を迎えました。
一年で最も昼が長く、夜が短い日。今日もサツマイモの草整理をしていたら、気付けば19:40!
実をもって日の長さを感じる今日この頃です。

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今回お話しするのは「個々別々であり一体」という考え方について。
自然農の提唱者である川口由一さんのお言葉です。
皆さんはこと言葉を見て、どのようなイメージを持たれますか?

著書で見ているときには具体的なイメージができませんでしたが、
自然農で農業をしていると、これについて理解が深まってきたように感じます。。
以下、僕の考えです。

「畑」という環境で考えてみると、、、
そこには多くの動物や虫、草、微生物などが生活を営んでいます。
目で見る分にはそれぞれが別々の命ですね。
それぞれが目的を持つことなく、それぞれの「役割」を全うしています。
よく言われますが、マメ科の植物は大気中の窒素分を地中に蓄えてくれたり、イネ科の植物はその
強靭な根で地中を耕してくれます。アカザ科の植物は地中に残った化学物質を吸収してくれる、なんていうのも
聞いたことがあります。
虫なども同様に、植物が命を繋ぐために必要な受粉に一役買ってくれることもあれば、
食物連鎖の中で、鳥やヘビなどの動物を誘致することも。
時には植えた作物もぼっろぼろに食べてくれます汗

しかし、それもよくよく考えてみると、違った見え方ができるのではないでしょうか。
そもそもなぜぼろぼろに食害を受けてしまうのか…
なんなら同じ畝なのに、なぜ全く虫害を受けていない株とそうでない株があるのか…

よく、窒素過多になった場合、虫が寄ってくる&病気になりやすい、と言われます。
一方で、植物が育つうえで大切な三大栄養素が不足していればうまく育ちません。
つまり、作物が育つ土の環境、バランスが取れていない、ということが虫害や上手く育たない原因と言えるのではないでしょうか。
それを是正するために、個々別々の草や虫等が然るべき場所、時に発生し、「役割」を果たす。

「畑」という、ひとつの命がそこにあり、その健康状態を保つ(改善する)ために、
ある種、感覚器官として様々な命をそこに発生させている、という考え方。
回りくどい感じになってしまいましたが、これこそが「個々別々であり一体」ということだと感じます。
目に見える世界ではそれぞれが別々の命であるものの、実は全ては一つの命である。
さらにさらに広い視点で考えると、私たち人も例外ではなく、自分自身も他人も地球というフィールドで考えると
一つの命なんでしょうね。
いやあ深い。。。

因みに個々別々の見方をする世界観を「相対界」、一つの命としてみる世界観を「絶対界」と川口さんは表現されています。
この絶対界に対する理解を深めると、普段見ている景色が少しずつ変わってきます。
…語りだすと長くなるので今日はこの辺で汗

さて、6月も終盤にさしかかり、農繁期もようやくひと段落できる兆しが見えてきました。
農作業としては、計4品種、1、5反分の田植えが無事完了しました!
最後は田植えイベントとして、参加者みんなで手植えで締めくくりました。
日に日に大きくなる稲の姿には見とれてしまいます。

とともにサツマイモの植え付けも終了。今期は計4品種、約700株になりました。
一部ではありますが、今年から苗も作ってみました。
冬の壺焼いもが超楽しみ!

夏野菜もだんだんと収穫の足跡が聞こえてきており、そろそろ第一弾のキュウリ、トマト、ピーマンあたり
の収穫が始まりそうです。
セット販売をしている僕たちにとって、この辺りの実物野菜の収穫が始まると、ほんっとに安心です。

壺植えにした里芋もなんとか梅雨までに埋め戻し&足し草が完了し、その横で生姜がポコポコ発芽が始まりました。
植え付けから1か月?まだかまだかと気にしていましたが、こちらも一安心です!
これからは草場の草を刈り、適宜足し草をするとともに、梅雨明けは水やりの毎日が待っています。

そんなこんなで明日は昼から雨。
それまでにトンネル支柱設営、里芋の足し草、サツマイモ草整理、田車除草とやりたいことは盛りだくさん…!
武者震いが止まりません!


↑田植えイベントの様子
土、水、風の音、鳥の声を感じながら行う田植え時間は格別!


↑苗たてした稲
立派に育ってくれました。


↑すくすく育つ赤米

今月も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。
また来月20日、更新しますね。

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